2014年4月10日木曜日

原発事故を自動車事故の損失と思えば仕方がない?








日本原子力学会誌 ATOMOΣ 2012年8月号 



茅陽一「巻頭言:原子力と自動車の安全性」:

日本原子力学会誌、Vol.54、No.8(2012)、p.499
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経産省の基本問題委員会での2030年電力エネルギーミックスの選択肢案がほぼまとまった。

それによると、

原子力の電力比率は0、15%、20~25%の3つの案が出ているが、

細野環境相の発言だと15%案が 一番有力な候補らしい。

これだと、現在の原発で2030年で40歳未満のものが生き残り

80%の稼働率で 運転したケースにほぼ相当する。

つまり、新設や更新は一切なし、という選択だから、

このままでいくと やがては原発はすべてなくなることになる。

野田首相はまだ原発が将来なくなる、とは明言していないが、

民主党の空気はそんななしくずしの脱原発にかなり傾いているようである。 




たしかに福島第一の事故は大きな事故だった。

放出された放射能の量をみてもチェルノブイリに次ぐのだから、 

原子力の安全性に不安を抱きいっそない方がよい、

と思う人が多いのも無理はないのかもしれない。

しかし、 一方において、原子力は長く化石燃料と再生可能エネルギーしかなかった世界に

人類が初めて導入した 新たなエネルギー源であり、

化石燃料と違って二酸化炭素の放出がないことは温暖化の進行を避ける意味から

きわめてありがたい特性である。

だから、原子力はその事故の危険性だけでなく、こうしたメリットと 

2つをはかりにかけてバランスとなる点を選ぶ、というのが一番妥当な選択だろう。 

もちろん、事故の危険性が図抜けて大きい、

という場合には脱原発という決断は仕方がないかもしれない。 

しかし、数字で考えると、どうもそうはならないのではないか。

一つの方式として、事故の危険を コストではかってみよう。

今回の福島第一の事故の被害は、

政府のコスト等検証委員会の報告によると 5兆8千億円だという。

そして、この委員会はこのような事故は40年に1回程度起こるという前提で 

このコストを発電コストに換算している。


これは、日本が原発の建設を本格的に始めてからほぼ40年経って

今回の事故が起きた、ということを考慮に入れているからだろう。

そこで、このコストは日本人一人あたり 

年あたりどれだけになるかを求めてみると、

上の被害を1億人×40年で除して1,500円/人・年という 答えが出てくる。

そこで、比較のために別な例として自動車事故を取り上げよう。

日本では年間ほぼ5,000人が 自動車事故で死ぬ。

人ひとりの損失をどうとるか、いろいろ考えはあるだろうが一人5,000万円とすると 

年間2,500億円となる。これを人口1億で除すると2,500円/人・年という結果になる。

上記にあげた数字はもちろん幅があっていろいろ変わり得る。

だが、原子力の損失が自動車利用の損失と さほど違わないものであることはたしかだろう。

しかし、交通事故で人が死ぬから自動車の使用を止めろ、 

といった意見はおよそ聞いたことがない。

これは人々が自動車を必要だ、と認識し、この程度の損失は 

その必要性にくらべて仕方がない、と考えているからだろう。

それなら、原子力を人々に受け入れてもらう ためには、

原子力を自動車と同じように重要だ、と理解してもらうことが必要である。

私は先に述べたように 人類が作り出した唯一の人工エネルギーであり、

脱炭素の意義も大きいことを考えると、それだけの重要性は あると思う。

そしてそれだけの原子力の重要性を世の中に向け強く主張する方法を

ぜひ関係者皆で知恵を しぼるべきでないか。

(2012年5月30日 記) 




車の事故と変わらんってか。

・・ほんまアホやなぁ。。














原発事故避難民、現在でも13万人。

いや、もっと多くの人が家族や故郷と引き裂かれた。。












一番津波の被害の少ないフクシマが一番自殺が多い。







..ホンマそう思うわ。。









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